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リモートファースト型スタジオは『Stampede: Racing Royale』をどう作ったか

今年前半に早期アクセスローンチを予定している『Stampede: Racing Royale』では、開発元Sumo LeamingtonとパブリッシャーSecret Mode Gamesが本番に備えて準備を進めている。

これは60人がカートレースで熾烈なバトルロイヤルを繰り広げる、基本プレイ無料のゲームだ。

Sumoはゲーム開発をリモート主体で行っているのが特色で、それだけにチーム内で方針のすりあわせができているか、全員が十分にコミュニケーションをとれているかが重要になってくる。

本記事では、Sumo Lemingtonのゲーム開発風景を取材し、レーシングロイヤルゲームの開発をテンポ良く続けていくには何が必要なのかを伺ってきた。

リモートファーストで仕事を回し続ける

Sumoによれば、まず何よりも働く人間が充実感を得られるようにすることが大事なのだという。同社スタジオディレクターChris Southhallにも、チームの目標達成を助けるために「すべてが快調に回る」ように計らうという重要な役目がある。

「目的が明確で、十分な裁量が認められ、協力精神と自由があれば、まあだいたいのチームの仕事は快調に回ります。」とSouthhallは語る。

Sumoでは「業績の達成」と「オープンさや信頼の尊重」のバランスを追求していくことで、ゲーム開発会社としては型破りな形になっても、結果としてリモートワーク文化をうまく根付かせられたという。

「ここのカルチャーも、人々の熱意とエネルギーも、そしてもちろん才能も、本当に最高です。」とSouthhallは付け加えた。「それだけの信頼のおける同僚たちと仕事をしていると、何か問題が起きても必ず『わかった、何から対応を始める?どうやって修正しようか?』と返事してくれるんですよ。そういうポジティブさとか、皆で前進しようという積極性というのは本当に貴重なものです。」

『Stampede』の開発は少人数からスタートしたのだが、今では総勢100人以上の大所帯になった。規模の拡大に対応するため、開発者たちはチームに分かれ、ゲームの様々な面を分担して担当している。

プロデューサーは運営チームからの機能リクエストと開発者チームとの間で円滑なコミュニケーションを保つ役割をしている。「おおむね両者の間を行ったり来たりして『月が欲しいそうです』とか『星とかその程度のものなら追加できますけど』と伝える仕事です。」と本作のシニアプロデューサーArran Blomfieldは言う。

もう一人のプロデューサーAoibhinn McCauleyは、期間内に開発目標を達成できるようにスプリントを管理している。スプリントが終了すると、チームはスプリントレビューで進捗を分析し、評価用のプレイテストを毎週実施する。

ライブサービスゲーム制作はマラソン

『Stampede』はライブサービスタイトルになるため、ユーザー層の声を汲み上げ定期的に反映する態勢も整えているという。

「[ライブサービスには]決まった終わりがありません。常に開発を続け、新コンテンツを出し続け、数か月に一度は季節に合わせた大型アップデートも投下していきます。だからスプリントというよりはマラソンですね。」とSumoの開発ディレクターPaul Hollywoodは言う。「私たちはたいへん特別でエキサイティングなものを世に送り出そうとしています。開発チーム自身が楽しく情熱を込めて作りあげたものです。」

ライブサービスゲームは近年人気が高まっているアプローチである。利点としてはコンテンツの新鮮さを保ちつつ、ユーザーフィードバックに絶えず耳を傾け迅速に反映していくことができることだ。

「常にプレイヤーのすぐそばにあって、絶えず関心の目を向けられ、開発者としても既存ゲームに修正をかけるのに大型アップデートにまとめたり有料DLCを売ったりする必要がないというのもあります。」とBlomfieldは説明する。

従来型の開発サイクルよりずっと迅速に問題対応できるため、開発者にとっても恩恵がある仕組みなのだ。

「バグを見つけてさっと直せると、スーパーマンみたいな気分になれるんですよ。」

『Stampede: Racing Royale』は2024年上半期にSteamで早期アクセス開始を予定している。

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