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『Dune: Spice Wars』で領主会議はどのようにプレイヤーの力になるのか

フランク・ハーバートのSF小説『デューン』では、3つの勢力が微妙な均衡を保ちながら宇宙帝国を支配している。

1つ目は現在の皇室であるコリノ家。強大な戦闘力をもつ皇帝親衛隊、サーダカーを後ろ盾にしている。2つ目は星間航行技術を独占している航宙ギルド。折り畳まれた空間を渡ることができるのは、ギルド所属の予知能力を持つ航宙士だけだ。

そして3つ目は領主会議(Landsraad)。皇帝の支配に権力に歯止めをかけバランスをとるために設けられた公家議会だ。大領家が力を合わせれば皇帝に対抗しうる一大勢力になるという発想から生まれた。

領主会議の力

クレジット: Funcom

フランク・ハーバートの原作では、領主会議は領家のありとあらゆる活動に関わってくる。同盟や貿易協定の締結、紛争の解決、確執や復讐を厳格なルールに則って解決する公式決戦(カンリー)、そして人類に対する核兵器の使用を禁じた(大協約)への違反の制裁。領主会議は政治の世界であり、取引が成立し協定が破られるたびにパワーバランスが変動する。

『Dune: Spice Wars』にもこれを反映した領主会議システムが存在し、プレイヤーが政治的影響力を消費することで各派閥に影響を及ぼす法案(charter)を通過させられる。法案には、対象派閥の軍隊ユニットを弱体化させるなど、特定の派閥を狙って影響を及ぼせるものもある。逆に、アラキス全土の水に税をかけすべての派閥から徴収するといった、全派閥に影響するものもある。

投票は一定期間ごとに行われることに

クレジット: Funcom

2023年12月のコミュニティアップデートで、領主会議のシステムにいくつか大きな変更が入った。「パワーバランスをプレイヤーの有利な方へ傾ける手段」という基本コンセプトは変わらないが、最大の変化は「領主会議の投票が一定期間ごとに行われるようになった」という点だ。以前は通知を見過ごしてそのまま投票の機会も逃してしまう場合があった。現在は20日ごとにゲームの進行が一時停止し、領主会議に投票できるようになっている。シングルプレイヤーモードなら、選択肢を検討する時間はたっぷりあるわけだ。マルチプレイヤーモードでは、一時停止期間の長さはゲーム開始前のロビーで決定され、その間に投票を行うことができる。

こうする利点は領主会議に投票する機会を逃さずにすむというだけではない。20日サイクルが戦略の新たな要素に加わる。物事が不利な方へ傾いたとしても次の投票までそれを覆す法案を通過させることはできないからだ。

法案が会議を通過しやすく

もうひとつの大きな変更は法案に関するものだ。これまでは条件を満たしていても法案が領主会議で却下され成立しない場合があったが、今後は複数の派閥が条件を満たしていれば必ず投票で成立するようになる。

法案には、対象派閥の軍隊ユニットを弱体化させるなど、特定の派閥を狙って影響を及ぼせるものもある。

各領家の領主会議スタンディング(Landsraad standing)によって、会期ごとにどの法案が成立させられるかが決まる。このスタンディングが一定の値を超えるとガバナーシップ(Governorship)投票が行えるようになり、成功すれば政治的勝利が発生する。

立場を有利にし、発言力を高める

スタンディングはその派閥の領主会議や経済圏全体における発言力にも関わってくる。スタンディングが低いと、動かせる票数の減少や影響力の低下につながるほか、CHOAMスパイス市場の交換レートも不利になる。

逆に高ければ票数や影響力が大きくなり、為替レートも動かせる、高いスタンディングは利用可能な票や影響力を増加させ、スパイス交換レートが有利になり、派閥にとって重要なヘゲモニー(Hegemony)スコアも上昇する。

票を動かす

ほとんどの派閥は領主会議の票を操作する独自の手段を持っている。アトレイデス家はヘゲモニー値が一定以上あれば法案の条件を無視できる。密輸業者は小領家を買収して浮動票を操作できる。

コリノ家は法案の対象を書き換え、指定した1つの派閥あるいは全派閥に効果を押しつけられるが、エカーズ家は法案の対象から自身を除外できる。

一方、フレメンやハルコンネン家は法案を通過させた派閥に報復する手段を持っている。フレメンはその派閥の領内で反乱を起こせるし、ハルコンネン家は派閥を腐敗させて領主会議スタンディングを下げることができる。

領主会議が政治的勝利の鍵となることは言うまでもない。

うまく政治工作をやってのければ、票を自分の有利に、あるいは敵の不利になるように動かせる。

領主会議が政治的勝利の鍵となることは言うまでもない。だが、他の目的に対しても無視できない効果を持っている。領主会議で決議できる法案の多くは、ドミネーション(Domination)やヘゲモニー(Hegemony)による勝利に貢献する。

20日ごとにゲームを一時停止させ投票の機会を見過ごさずに済むようにしたのは、忘れずにチェックしているプレイヤーだけでなく、誰もが領主会議を存分に活用できるようにするためだ。

『Dune: Spice Wars』はShiro Gamesが開発し、Funcomがパブリッシングを行っている。

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