Skip to main content
戻る

SF小説の金字塔『デューン』の忠実なゲーム化に挑むFuncom

『Dune: Awakening』はフランク・ハーバートの傑作SF小説シリーズ『デューン』を原作とした、現在開発中のオープンワールドサバイバルMMOだ。開発を手がけるFuncomは、原作に忠実なゲーム世界を作りあげるため細心の注意を払ってきた。

舞台となる惑星アラキスは、原作そのままに広大で、探索には常に命の危険が伴う。ここで生き抜くには他のプレイヤーたちにも対処していかねばならない。武力衝突はもちろん、政治面で対立することもある。 SF小説の金字塔『デューン』にとって初のオープンワールド・サバイバルゲーム展開となる本作の狙いについて、Level InfiniteはFuncomのチーフクリエイティブ責任者兼クリエイティブディレクター、Joel Bylosに詳しい話を伺った。

原作小説の記述を拾い出し、砂漠惑星の営みを構築

『デューン』シリーズははるかな未来、人類が星々にまたがる封建社会を築きあげた時代を舞台としている。コンピューターは禁忌とされているものの、それに頼らない高度な星間航行技術が発達している。

単なる道具として利用される人間たちと絢爛たる未来絵巻の対比が、数ある傑作SFの中でも類をみない『デューン』独特の味わいを生み出している。そしてこれこそ『Dune: Awakening』の開発者たちが惑星アラキスをオープンワールドとして構築するにあたってこだわり抜いたポイントだ。

Bylosはこう語る。「開発に着手する時に、クリエイティブデザインに関して守るべき基本方針を決めました。デザインに合わせて原作の解釈を曲げるのではなく、原作に合わせてデザインを作ろう、と。」

クリエイティブチームは原作小説を隅々まで読み込んで細かな世界描写を拾い出した。例えば、アラキスで植物がどのように栽培されているかといった点だ。「サバイバルゲームなので、作物の栽培や収穫といった要素もあります。それを原作の設定に沿って機能させてみせなければなりません」とBylosは説明した。「原作小説に植物の栽培に関する短い1段落が見つかりました。培地を輪状の器具に吊り下げ、夜明けに花が咲くとその花から朝露を吸い取るというのです。」

興味深く変化に富んだ世界を構築するにはディテールへのこだわりが不可欠だ。

Bylosによれば「惑星アラキスを舞台としたゲームは他にもありますが、プレイヤーが自ら地上に降りて遊べるというのは本作が初めてです」という。

そのため、プレイヤーにアラキスの広大さを実感させつつ、そこに興味を持ってプレイし続けられるだけの要素をどう持たせるかというのが開発上の課題になった。

「多くの時間をかけて様々なバイオームや砂漠の奥地、地表各地に埋もれたVaults(遺跡)をデザインしました」とBylosは言う。

『Dune: Awakening』はドゥニ・ヴィルヌーヴによる最新の実写化映画やフランク・ハーバートの原作小説から多くのアイデアやビジュアルを取り入れているが、Funcom独自のビジョンも反映されている。時系列も映画や小説とは独立したものにすることで、開発陣の独自の解釈を加える余地を持たせている。

「このプロジェクトは何よりも、フランク・ハーバートが創造した宇宙で暮らしたい、ヴィルヌーヴの映画で見た映像世界に生きたいと思っている、大勢の人々のためにあります」Bylosはさらに語った。

「私たちはこの2つの世界のギャップを埋め、人々が原作小説や映画から思い描いたイメージそのままに生きられるゲーム世界を作らねばなりません。これはとてつもなく大きな課題で、時に圧倒されそうになりますが、あらゆる人の心に何かを残すものにできればと思っています。」

『Dune: Awakening』は現在開発中で、PC、PlayStation 5、Xbox Series X|Sでのリリースを予定している。

Back to top